会計年度任用職員って検索すると
問題点とか、デメリットしかないとかネガティブな意見ばかり。
本当の所、どうなんですか?
こんな疑問にお答えします。
私は高校卒業後、10年間市役所で会計年度任用職員として勤務した経験があります。
(当時の名称は臨時職員)
そこで、この記事では10年間務めた中で感じたメリットとデメリットを記載していこうと思います。
ちなみに私の配属先は市役所勤務で事務補助員として採用されました。
同じポジションで応募しようか考えている方の参考になれば幸いです。
会計年度任用職員とはわかりやすく言うと何?
そもそも会計年度任用職員とは何なのか?
ざっくばらんに言うと会計年度任用職員とは
過去に臨時職員や非常勤職員と言われていた人たちのことだと思っていただければOKです。
令和2年4月1日から全国の市町村で名称や制度を一律変更されました。
それまでは各地域で名称や待遇にバラつきがあったので、制度を一律化しました。
(細かい所はまだまだ自治体の判断によるところが多いです)
会計年度任用職員制度に変更になってから待遇面でかなり優遇されるようになったと言われています。
しかし、この制度一律化によって地域によっては
逆にお給料が下がったり雇い止めにあうなど散々な目にあっている人たちもいます。
それがネットで言われている会計年度任用職員の問題です。
私の地域はそもそも田舎なので、ボーナスが出るようになったし
週休3日制になったので全体としてプラスの結果になりました。
まあ、それでも退職したんですけどね!
…退職した理由はのちほど。
会計年度任用職員はパートタイムとフルタイムの働き方があり、ほとんど募集されているのはパートタイム会計年度任用職員です。
会計年度任用職員は公務員ですか?
会計年度任用職員は非正規公務員と呼ばれています。
会計年度任用職員はパート・アルバイトの立場ではありますが、肩書は公務員になります。
ですので、一般の公務員の方々と同じく服務規律を守らなければいけません。
会計年度任用職員のメリット
お休みがとりやすい
民間企業のパート・アルバイトと比べると非常に休みやすい環境です。
ですので、小さなお子さんがいる主婦の方が会計年度任用職員には多く働いています。私もその一人でした。
子供の発熱や子供の行事で有休をとっても(基本的には)嫌な顔されることがないので
子育てしている人間はとしてはメリットです。
残業も無いですし、土日祝日が休みで特別休暇や介護休暇もあります。
所属長の判断になるので、配属先によりますが週休3日制にしてもらえる所もあります。
一応公務員なので社会的信用がある
非正規であっても公務員に変わりはないので、クレジットカードの審査や家のローン(共同)も普通に組めました。
親戚に話をしても恥ずかしくないので親は喜んでいます(笑)
最低限、パソコンが使えれば業務は簡単。
事務補助員として採用の場合ですが、仕事内容は基本的にどこに配属になっても同じです。
- 窓口にて市民対応
- 受け取った書類の事務作業
- Excelを使ったデータ入力と集計
- Wordで簡単な文書作成
- 電話対応
- 雑務(シュレッダーのゴミ出し・書類の整理など)
ラッキーな所に配属すれば完全に市民対応しない課もありますよ。
ボーナスが出る(条件あり)
ほとんどの会計年度任用職員さんがボーナスがもらえます!
契約期間が1カ月だけなど短すぎる場合を除いてフルタイムの会計年度任用職員は勿論、パートタイムの会計年度任用職員の方も年に2回ボーナスがもらえます!
さらに令和6年度からは勤勉手当の支給がはじまるので、さらに収入が増えるのは嬉しい限りです。
退職後は失業手当が受給できる。フルタイムの人は退職手当もあるよ
任用期間が極端に短い場合や勤務時間が短い場合を除いて
会計年度任用職員は社会保険に加入できます。
フルタイムの会計年度任用職員の場合は退職手当もあるのが魅力的です。
会計年度任用職員のデメリット
ここからは会計年度任用職員のデメリットについて記載していきます。
お給料が低い
お給料がとても低いです。地域性もありますが、私の一カ月のお給料を公開しているので興味がある方は読んでみて下さい。
とてもじゃないですけど、一人で生活できるお給料は貰えないので注意です。
しかも、どれだけ頑張って成果を出しても給料は上がりませんので注意です。
配属先によって仕事量に差が出る
同じ役所内で働いていても仕事量が全然ちがいます。
全く仕事がない暇な課もあれば、職員レベル、下手したらそれ以上に働かされる部署も存在します。
普通にお昼休みに入れて談笑できる余裕があるような所と
毎日殺伐としていて昼休みも職員の代わりに働く会計年度任用職員が存在しています。
私はどちらの課も体験しています。
かなり博打要素も兼ねている職業ですので、事前に配属先がわかるような自治体であればリサーチは必須です。
任用期間が決まっている
会計年度任用職員は4月から来年の3月までの一年を任用期間として決められています。
3年、自治体によっては5年まで延長して働くことが可能です。
必ずしも延長してもらえる保証がないので、突然雇い止めにされることもあります。
専門的なスキルが身につかない
基本的に正職員の仕事の補助であるために仕事を通して専門的なスキルが身に付きません。
さきほどメリットの所でも触れましたが、基本的に任される業務は簡単な業務です。
転職を考えた時に企業にアピールできる所がありません。
会計年度任用職員が転々と役所を渡り歩いてしまうのはコレが原因かなー…と感じている所です。
知りたくない事まで知ってしまう
仕事柄個人情報を扱うので知りたくない事まで知ってしまいます。
同級生の親のことだとか、自分の親戚のことだとか、仕事なので割り切っていますが保育園で挨拶するママの離婚届とか窓口で受理するのは気まずいものがありましたね…
誰も窓口変わってくれなかった…(泣)
私が会計年度任用職員を退職した理由
- 週休3日制
- 7時間勤務(残業無し)
- ボーナス支給有
- 有給とりやすい
- 仕事は簡単
- 社会的信用もある
- 副業も可能
人によっては最高の職場かもしれません。それでも私はボーナスが増える前に退職しました。
興味がある人だけ読んでください。
ほぼ愚痴です。
クビにした方がいいレベルの人間がそこそこいる。
正直、うじゃうじゃいます(笑)
会計年度任用職員で仕事が出来ない人は二度と更新されませんけど、職員はクビにできませんからね。
年度末の異動の時期はどこの課にいても緊張感が走ります。
公務員叩きする理由が公務員になってはじめて分かりましたね…。
例えば今、働きたくないから楽そうな市役所職員になろう♪と思っている方。
クズにはさらに上のクズがいるので、そいつよりクズになれないなら餌食にされますよ♪
単に仕事ができない・やらない。のレベルなら可愛いものです。人間性も非常識なので一緒に働いていると病みます。
多種多様の、個性豊かな、独特の人間が市役所には多いので
待遇面だけで夢見て応募すると結構ガッカリしますよ。
問題をなかったことにされる
仕事が出来ないヤバい職員がいたとしても、上司が正しい評価をするとは限りません。
理由はヤバい奴がいるとなると「どういうことだね?なんとかしたまえ」と
さらに上から詰め寄られて面倒くさいから。
だったら全部みなかったことにして、とりあえず普通の評定にしとこう。無難に…。
という風になるんですねぇ。
どんなに仕事が出来なくても上司がことなかれ主義だと普通評価がもらえちゃうので
仕事が出来ない人がいつまでも自分のことを自覚する日は来ません。
目の前でお客さんを無視したり、書類の締め切りを間に合わせなくても普通評価。
かたや仕事のできない同僚をフォローして土日返上で仕事をしても普通評価と同程度です。
やってらんねー
こういった文化から真面目で仕事ができる人も腐っていく仕組みです。
上司にマネジメントの適性がない人もうじゃうじゃいます。
基本的に年功序列なんで、年を取って問題起こしてなかったら声が掛けられる。
そんな感じで係長・課長になる人を10年の間にたくさん見てきました。
酸いも甘いも経験した私が考えた結論
長く働いたらアウト。
これに尽きると考えます。理由は2つ
①長くいると仕事を覚えてしまうので正職員の代用にされやすい。
②長くいると会計年度サイドも図々しくなり、パワーバランスが崩壊する。
会計年度任用職員は非正規の職員です。異動もありませんし、どうしても長くいると正職員よりも仕事を覚えてしまいます。そうなってくると自然と不満も出てくると思います。
ですので、いつまでも仕事がわからない新人さんの状態がベストだと考えます。
正職員も会計年度もお互いの立場や状態を守るのが安泰に繋がると思います。
組織単位で考えたら仕事できるなら仕事してほしいとは思いますが。
私が遭遇した災害レベルの正職員は15年いて切手の貼り方も分からないような人でしたからね…。
それを年下のパートの私に聞くんかい…。そして一週間もしたらまた切手の貼り方を教えるんです。
仕事上の介護ですよ。
同じ正職員に聞くと馬鹿にされるから、年下の会計年度である私に仕事を聞いてくるわけです。
立場も年も下なので私が怒りづらいのを理解しての犯行です。
こういう所だけは知恵がはたらくんですよねぇ~。
…話がそれました。
こういう事例は稀かもしれませんが、自分も仕事がわからなければ教えようがないので
いつまでも新人という体でいると摩擦がおこらないです。
そして、もうひとつ
万が一仕事が出来ない人と一緒になったとしても、一時的な腰掛だと思えば精神的にも楽になります。
ですので、会計年度任用職員になったらいつでも転職できるようにしておきましょう。
これはいつ雇い止めにあっても対応できるようにしておく準備でもあります。
転職活動が面倒くさいことを理由にダラダラ会計年度任用職員として働き続けてしまった私は後悔しています。
ある程度会計年度任用職員として身を置いたら、正職員になるか転職するか判断して早めに行動したほうが絶対に良いです。
社会に出る自信がない人用の職種かなと
ここからは個人的にメリットがあると思う人たちに向けて書いていきます。
私が10年働いて考える会計年度任用職員として働いてメリットがある人達。
- 専業主婦
- 子育て中のママ
- ニート
- とりあえず学校辞めちゃった人
こんな感じの人たちが社会に出るきっかけには凄く適していると思います。
理由は3つあります。
①仕事内容が難しくない
②残業がなくて休みが取りやすい
③とりあえず公務員の肩書がもらえる
社会に出るきっかけにはちょうどいい塩梅の仕事かなと思います。
大きなところは分かりませんが、市・町の規模の役所なら面接も面談に近い形ですし
ハードルがそんなに高くないです。
パソコンができなくても電源がつけられれば大丈夫です。勉強する意思があれば1年もすれば簡単な関数レベルなら最低限使えるようになります。
一応パソコンのスキル、事務の経験、公務員の肩書が手に入るので
仕事に自信が無い人の0⇒1には適切な職業だと思いますよ。
まとめ
会計年度任用職員のメリットとデメリットを紹介させて頂きました。
どこの職場もそうですが、どんな人と働くかで命運がわかれます。
一緒に働く人に恵まれたからと言って、絶対に安心はしないで下さい。
長く働けば何かしらの不満が絶対に出てきます。
注意点として必ず転職を意識して働いてくださいね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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